奇稿 超短編小説ーお菓子ー ふたりで開けたお菓子の袋。真新しいパッケージとフワリと鼻孔をくすぐる甘い香りに、我を忘れたかのように飛びつく。1つ目をそれぞれ手に取って、顔を見合わせると口の中に放り込んだ。舌の上で転がる甘味は多幸感とともにじんわりと広がって、身体のどこかに溶けた。 2020.11.04 奇稿